京都 field STUDIO

●初心者のバンドの皆さんへ(担当:スザキ) 

 

1,バンド練習の手順

 a)初めてのメンバーで初めてスタジオに入った! さて、何をするか?

・各楽器のチューニングをします。チューニングの出来ない楽器(アコーディオンとか)に合わせます。それぞれのチューニングメーターで合わしてもダメよ。全員が同じメーターで合わせるんやったらまだしも・・・。市販のメーターの精度にはバラつきがある。自分の耳を鍛えるためにも他の楽器の音(だいたいラ)を聴いて合わせましょう。

・全員でジャーンと楽器を鳴らして、各楽器の音量 を決めましょう。どうするかというと、だいたいドラムの音を基準にします。まずドラムを叩いて、その上からベースを弾いてドラマーがそのベースラインを聞き取れるぐらいの音量 、他の人が聴いて両方の音がしっかり聞こえるぐらいににベースアンプのボリュームを決めます。ギターその他はその上に乗りますが、ドラマーがベースの音聞こえないほどに音量 を上げないこと。ボーカルは必ずスピーカーが正面に来るようにマイクを立てること。スピーカーが背中に来るようにマイクを立てるとハウリングを起こしてボーカルの音量 が上げられません。ボーカルが聞こえないからミキサーのボリュームを上げたらキーンとハウる。ここまで上げて聞こえないのはボーカリストの声量 が足りないからです。バンドで歌うにはカラオケの3倍の声量が必要。ここのスタジオで聞こえなければ大抵のライブハウスでも聞こえないかハウります。しっかり発声練習をしましょう。

 

 b)コピー曲とオリジナル曲。

・まったく初めてバンドをやる人がひとりでもメンバーにいる時は、出来れば最初は練習曲としてコピーをやる方がいいと思います。全員が耳だけでコピーしましょう。市販のスコアなどを見るのは自分で音を取った後の確認のためだけにしましょう。初心者がオリジナル曲から入ると、各楽器は往々にして、自分のできることしかしなくなるのでなかなか楽器が上達しません。

 

 c)バンドメンバーの技量より、まず耳の良さを確認する

・まず、課題の曲をジャーンと演奏しましょう。3〜4回演奏したらそれを録音します。そしてメンバー全員で聴いてみる。「自分のことは棚に上げて」というルールでそれぞれ自分以外のメンバーの音にダメ出しをし合いましょう。ここで「別 に〜?」なんて言うやつはあかんよ。即メンバーチェンジやね。1曲について以上の作業をガンガンやってると、あいつはすごい所まで聴いてるな、とか、こいつにはここの違いが聞こえないのか、とか、それぞれのメンバーの耳の性能が分かってきます。ここで、今後誰の意見を参考にしていけば良いか見当がついてくる。普通 、つい、一番楽器が巧いやつ、一番経験がある奴の意見に頼りがちになりますが、楽器ヘタでも耳だけはすごい奴がたまに居ます。こういう奴を見逃したら大きな損失です。

 

2,バンド練習のポイント

 a)何度も同じ曲を繰り返し演奏することが練習になるのかどうか?

・1曲通して演奏できるようになったら次に何をするべきか分からないので、とりあえず新曲に移行するというパターンは多いですね。でもこれを繰り返してもそのバンドサウンドはちっともレベルアップしません。では、どうするのか? 上にも書いた録音ダメ出し大会をしましょう。酒飲みながらでもよし、ケンカになってもよし。すると、次にこの慣れてしまったこの曲のどういう部分を意識して演奏しようかというのが自然に見えてきます。全員が同じ所に問題を感じるというのが大きいことです。

 

 b)メンバーの楽器の技量と演奏する曲に求められる技量 のバランスを見切る。

・色々な曲を演奏していると、あ、この曲はあいつの技量 では難し過ぎるな、とか、俺にはこれは絶対に弾けない、とか気が付くことがあります。こうなったら、では、この曲はレパートリーから外そうということになったりしますが、バンドの為には安易に外すのはもったいないのです。みんなの技量 ぎりぎり一杯で演奏したものを録音して、またみんなで考えましょう。ここは絶対に弾けへん!でも、ここをこういう風に弾かないでもにこの曲が変わらずカッコエエというやり方はないのか!  ここのドラムのキックを2つ打ちにしなくてもベースをこういうふうに弾いたらええ感じになるやん、とか、いや、わかった。俺は死ぬ 気でここが弾けるように練習する! とか、色々な意見が出て来るのが良いのです。こうやって、そのバンドはそのバンドにしか出せないバンドサウンドを獲得します。

 

 c)各々の楽器の弾きミスを気にし過ぎると大事なことを見落とす。

・演奏中も、上記のような演奏を録音して試聴する時も、いわゆるミストーン(弾き損ないの場合も、練習不足でうまく弾けない部分も)ばかりに気を奪われてはいけません。これは、自分のミスも他のメンバーのミスも、です。いわゆるカッコイイ演奏というのはよく言われるように「ミスまでカッコイイ」ものです。それよりも先に検証すべきは、自分も含めて本人が自信満々に演奏している箇所に問題が無いか?というポイントです。ミスは弾き損なったのだからそこの部分だけひとりで100回も練習すれば何とかなるでしょう。でも、音を出しているその時に本人が気づかなかった問題点を修正するのは大変な作業で、かつ重要なことです。他のメンバーの耳や意見を最大活用しましょう。これこそが、バンドをしている、つまり、ひとりやないことの一番の利点であるとも言えます。

 

3,スタジオ外でもトレーニング

 a)バンドの基本はリズム感で決まる。

・リズムの問題は非常に深い問題です。最近の世界中の音楽はどんどんリズム音楽へと変容しているので、もはやジャンルを問わず最重要ポイントになって来ています。黒人のリズムは日本人には出す事ができないなどとあきらめていたのは昔の話です。しかし、要は、少なくともバンドのメンバーのリズム感覚が似たものであればバンドとしては有利です。基本的なリズム感覚というのは生理的、本能的な要素を含んでいるので、個人個人感じ方が違います。人の顔がみな違うのと同じように違います。しかし、こと、バンドという合奏体を考えた場合、メンバーのリズム感覚が接近している方が、個人個人の楽器操作技術が高いことよりずっと有利です。このあたりをヒントにバンドサウンドを創って行くのでなければバンドの意義はありません。ここでの基本的なリズム感というのは、個人個人の生活の中で自然に作られまた現れています。例えば、歩き方や走り方のクセの違いはこの基本的リズム感の違いに負う所が大きいのです。こういった段階の話はもはや楽器を持つ以前、スタジオに入る以前の話です。たとえば、バンドのメンバーはたとえスタジオ外でもこのような種類の話題を共有するべきですし、観察し合うべきだと思います。

 

 

■バンドのやり方について(特に初心者の方) 疑問がある方、分かる範囲で助言いたします。私(スザキ)がスタジオにいる時はどんどん声をかけてください。あるいは、field STUDIOのブログのコメントに書き込んでいただいてもかまいません。(担当:洲崎一彦)

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